そうだ、僕らはくらしの プラットフォームを作りたかったんだ。

はじまりは、友人宅のチーズケーキ。38年間変わらない味を届ける、中目黒「ヨハン」の創業時からのこだわり。

はじまりは、友人宅のチーズケーキ。38年間変わらない味を届ける、中目黒「ヨハン」の創業時からのこだわり。

2017.02.13

CAKE.TOKYO

中目黒のチーズケーキ専門店・ヨハンは、ひとりの男性が定年退職後にはじめたお店。お年寄りから小さな子どもまで、現在も世代を超えて愛され続けています。

1978年創業当時のレシピを38年間一途に守り続けている「変わらないことのすごさ」について、ヨハンのみなさんに伺いました。聞き手はライターの小宮山さくらです。

38年間変わらない本物の味。ヨハンの愛されチーズケーキ「メロー」。先代オーナーの和田利一郎氏が心底愛した伝統の味を表現した、最もオリジナルに忠実なレシピで作られています。

チーズケーキとの出会い、「ヨハン」の始まり

小宮山 : 1978年創業という歴史に、改めて深い重みを感じます。どのような経緯で「ヨハン」は始まったのでしょうか。

スタッフ : 先代オーナーの和田利一郎が、アメリカ人の友人宅でふるまわれたNY流のチーズケーキの美味しさに衝撃を受けたのがすべてのはじまりです。和田は、その後独学でその味を研究し、定年後、同年代の仲間と共にこの店を開きました。

中目黒の川沿いに、ストンとおさまるように構えるお店。当時は川沿いも舗装されておらず、土手のままでした。現在の賑やかな中目黒からは想像もできません。

創業当時の伝統を継承する、コクと甘み

スタッフ : 創業当時から、チーズケーキは4種類です。甘さとコクが引き立つ「メロー」、チーズ本来の味わいを生かし甘さをおさえた「ナチュラル」、そして酸味の効いた「サワーソフト」、あっさりとした「ブルーベリー」。

原材料もレシピもサイズも、38年間変わっていません。ロゴなどの意匠も、包装紙のデザインもそのままなんです。

1978年の創業以来、変わらぬ味で愛され続けているヨハンの4種類のチーズケーキ。

オーストラリア産フィラデルフィアチーズによる濃厚でまろやかな甘みとしっかりとしたコク、そしてレモンピールとオレンジピールのさわやかな酸味。こっくりとクリーミーなのに、後味は不思議とさっぱり。

無着色、無香料、無水、保存料不使用、と原材料もとてもシンプル。余計なものが一切入っていないから安心して食べられるし、冷蔵すればある程度日持ちするのもうれしいです。

わたしも5日間連続でいただいてみたけれど、一切胃もたれもせず、飽きるどころか食べれば食べるほどやみつきになってしまいました。シンプルなのに唯一無二。この味わいは、どうしたってヨハンだけのものだと確信したほどです。

あえて頑なに変えないことへの、ひたむきな想い



小宮山 : 商品や意匠、場所など、一切を頑なに38年間変えない理由は何でしょうか?

スタッフ : 「ケーキの種類を増やす手腕も、派手なデコレーションをする技術も持っていない。私にはこれしか作れないんだ」というようなことを、先代はいつも言っていました。

私たちも、先代の教えを守り、自分たちにできることを黙々と続けているだけなんです。

小宮山 : スタッフの平均年齢が65歳前後ということで、「おじいさんの作るチーズケーキ屋さん」としても有名ですね。

スタッフ : 先代オーナーがそうだったこともあり、現在もパティシエは定年後の男性がほとんどです。ヨハンで働くまでケーキ作りは未経験だったという人も多いですが、持ち前の真面目さと味への探究心によって、すぐにコツを覚えています。

創業時からのレシピを真摯に守り、毎日朝の7時ごろから、丁寧懇切に手仕事で作り続けています。

小宮山 : 小さな子どもとお年寄りが、同じ食卓を囲んで、笑顔で美味しさを共有できる。季節が変わっても、月日が流れても、中目黒に行けばヨハンのチーズケーキが待っていてくれる。

まるで故郷に戻ったとき安心感もまた、ヨハンの持つなによりの魅力だと思います。

そして、取材中印象に残ったのが、ひっきりなしにヨハンを訪れるお客さまのうち、約半数は男性だったこと。

ご高齢のお客さまから、「甘いものは苦手だけどヨハンのチーズケーキは別」「闘病中でまったく食欲がないけれど、ヨハンのチーズケーキだけは食べられる」などの声が寄せられているそう。

なくてはならない大切な存在、とでもいうべき愛され方ではないでしょうか。

かつて先代の先代オーナーの和田利一郎が、NY流チーズケーキの美味しさに衝撃を受けて「ヨハン」をオープンしたように、きっと人生が変わってしまうような”未知とのおいしい遭遇”が、この世界には溢れています。

東京を中心に、国内外のおいしいお菓子と、知れば誰かに話したくなるストーリーをお届けするCAKE.TOKYOが、そんな未知との遭遇にお役立ちできれば嬉しいです。
writer:
CAKE.TOKYO
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